社労士ガイドのモジュール

社労士の難易度は?合格率と他資格比較

社労士(社会保険労務士)の難易度は、合格率5〜7%で推移する難関国家資格です。偏差値に換算すると60〜65程度とされ、行政書士や宅建士よりも難しく、税理士や司法書士よりはやや易しい位置づけです。ただし科目ごとの足切り制度があるため、得意科目だけでは合格できない点が最大の特徴です。この記事では社労士試験の難易度を合格率の推移データ、他資格との比較表、科目別の難しさから徹底解説します。

社労士試験の合格率推移データ(過去10年)

社労士試験の難易度を客観的に把握するうえで、まず確認すべきは合格率の推移です。結論として、合格率は5〜7%の間で安定しており、年度によって大きな変動はありません。

全国社会保険労務士会連合会の公表データによると、直近10年間の合格率は以下のように推移しています。2016年が4.4%と最も低く、2022年が5.3%、2023年が6.4%、2024年が6.9%、2025年が約6.2%と推移しました。受験者数は毎年3万5千〜4万人前後で、そのうち合格者は約2,000〜2,800人程度です。

注意点として、合格率の計算には受験申込者ではなく実際の受験者数が使われています。毎年約15〜20%の申込者が試験を棄権するため、実際に受験する層はある程度の学習を積んだ受験生です。その中での5〜7%という合格率は、相当な難易度であることを示しています。

ただし「5〜7%」という数字だけで判断するのは早計です。この数字には初学者から複数回受験者まで含まれています。計画的に800〜1,000時間の学習時間を確保した受験生に限れば、合格率はもっと高くなるとされています。

では、この難易度を他の国家資格と比較してみましょう。

他の国家資格との難易度比較表

社労士の難易度を他資格と比較すると、士業の中では中〜上位に位置します。以下に主要な国家資格との比較をまとめます。

| 資格名 | 合格率(目安) | 偏差値(目安) | 学習時間(目安) | |--------|-------------|-------------|--------------| | 司法書士 | 4〜5% | 70〜72 | 3,000時間 | | 税理士(5科目) | 15〜20%(科目別) | 68〜70 | 3,000〜5,000時間 | | 社労士 | 5〜7% | 60〜65 | 800〜1,000時間 | | 行政書士 | 10〜15% | 58〜62 | 600〜800時間 | | 宅建士 | 15〜17% | 55〜58 | 300〜500時間 | | FP2級 | 40〜60% | 48〜52 | 150〜300時間 |

[IMG_ALT: 社労士と他資格の難易度比較表(合格率・偏差値・学習時間)]

この比較から見えるのは、社労士は学習時間に対する合格率が厳しい資格だということです。社労士とは何かを基礎から知りたい方は、まず資格の全体像を把握しておくとよいでしょう。

行政書士と比較した場合、合格率は社労士のほうが低いものの、必要な学習時間の差は200〜300時間程度です。一方で税理士や司法書士と比較すると、社労士は学習時間が大幅に少ない点がメリットです。働きながらでも1〜2年で合格を目指せる現実的な難易度といえます。

社労士試験が難しい3つの理由

社労士試験の難易度が高い理由は、大きく3つあります。ポイントは「科目数の多さ」「足切り制度」「法改正の多さ」です。

理由1: 10科目という広範な試験範囲。社労士試験は労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の全10科目で構成されています。それぞれの法律が独立した体系を持つため、全体の理解には相当な時間がかかります。

理由2: 科目別の足切り制度。これが社労士試験最大の特徴であり、最も受験生を苦しめるポイントです。選択式は各科目5点満点中3点以上、択一式は各科目10点満点中4点以上が基準点として設けられています。総合点で合格ラインを超えていても、1科目でも基準点を下回れば不合格です。実際に、総合点は十分だったのに足切りで不合格になる受験生は毎年数多くいます。

理由3: 毎年の法改正への対応。労働関連法規は毎年のように改正されます。前年の知識がそのまま通用しないケースも少なくありません。この点が、過去問だけでは対策しきれない難しさにつながっています。

科目別の対策が重要だとわかったところで、次は具体的にどの科目が難しいのかを見ていきます。

科目別の難易度ランキング

受験経験者の声や予備校のデータを総合すると、科目別の難易度は以下の順になる傾向があります。

最も難しいとされるのが「一般常識(労働・社会保険)」です。出題範囲が広く、白書・統計からの出題もあるため、対策が立てにくい科目です。選択式での足切りが最も発生しやすい科目でもあります。

次に難しいのが「厚生年金保険法」と「国民年金法」の年金2科目です。制度が複雑で、経過措置や特例が多いことが難しさの原因です。ただし、この2科目は出題パターンが比較的安定しているため、過去問を繰り返すことで得点源にすることも可能です。

比較的取り組みやすいのは「労働基準法」と「労災保険法」です。身近な内容が多く、学習の初期段階で理解しやすい傾向にあります。多くの受験指導校でも、この2科目から学習を始めることを推奨しています。

重要なのは、苦手科目を作らないことです。足切り制度があるため、得意科目を伸ばすよりも、苦手科目を底上げする学習戦略が合格への近道となります。

社労士試験に必要な勉強時間の目安

社労士試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に800〜1,000時間とされています。ただし、この数字は学習方法によって大きく変わります。

独学の場合は1,000〜1,200時間、通信講座を利用する場合は700〜900時間、通学講座を利用する場合は600〜800時間が目安です。通信講座や通学講座で勉強時間が短縮できるのは、効率的なカリキュラムと法改正情報の提供があるためです。

1日あたりの学習時間で考えると、1年計画なら平日2〜3時間・休日5時間程度のペースが必要です。働きながら受験する方が大半のため、通勤時間やスキマ時間の活用が重要になります。

複数回受験になるケースも少なくありません。合格者の平均受験回数は2〜3回というデータもあり、1回で合格できなくても諦める必要はありません。ただし、毎年の法改正に対応する必要があるため、学習期間が長引くほど負担は増します。できるだけ短期間で合格を目指す戦略が重要です。

[IMG_ALT: 社労士試験の勉強時間と学習方法別の比較]

社労士の難易度は高いが合格は十分可能

社労士試験は確かに難関ですが、合格は十分に可能な資格です。その理由は3つあります。

第一に、試験はマークシート方式であり、論述試験がない点です。択一式も選択式も、正確な知識があれば確実に得点できます。第二に、学習範囲は広いものの、出題傾向には一定のパターンがあります。過去問を分析すれば、頻出テーマを効率的に押さえることが可能です。第三に、良質な教材や通信講座が充実している点です。

合格者の多くが実践している学習のコツは、「早い段階で全科目を一周する」「過去問を最低3回は繰り返す」「法改正情報は直前期にまとめて対策する」の3点です。

難易度が高いからこそ、合格後のリターンは大きいといえます。社労士の年収や将来性を知ることで、学習のモチベーション維持にもつながるでしょう。

まとめ

社労士試験の難易度は合格率5〜7%の難関資格ですが、計画的な学習で十分合格を目指せます。足切り制度への対策が最重要であり、苦手科目を作らない学習戦略が鍵です。独学に不安がある方は、効率的なカリキュラムを提供する通信講座の活用も検討してみてください。

Hub Pages